オンライン診療受付
- HOME>
- ピロリ菌検査・除菌
ヘリコバクター・ピロリ菌とは？
胃粘膜に棲みつく細菌の一種であるピロリ菌（ヘリコバクター・ピロリ菌）は、胃炎（慢性胃炎）、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの主要な原因とされています。
ピロリ菌感染で特徴的なのは、初期段階では自覚症状がほとんど現れないことです。しかし、ピロリ菌が胃に長期間留まり続けると、胃に損傷をもたらし、やがて胃の不快感、痛み、胃酸の増加、そして消化不良などの症状が現れるようになります。
ピロリ菌感染の原因
ピロリ菌感染の主要な原因は、幼少期の経口感染とされています。上下水道が整っていない不衛生な環境、感染者による赤ちゃんへの口移しなどによって感染が広がる可能性があります。
衛生環境の改善に伴い、現在の日本では若い年齢層での感染率が減少しつつあります。成人後は免疫機能が働くため、ある程度のピロリ菌の侵入では持続感染が起こることは稀です。
しかし、小さなお子さんは免疫がまだ完全ではないため、ピロリ菌の暴露に注意する必要があります。ピロリ菌に感染している方は、小さなお子さんとの食器の共有や口移しなどを控えるようにしてください。
ピロリ菌によって起こる可能性のある疾患
胃炎（慢性胃炎・萎縮性胃炎）、胃がん、胃・十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア など
ピロリ菌検査をおすすめする方
長期にわたる胃の不調はピロリ菌感染が原因かもしれません。必ずしもピロリ菌が原因とは限りませんが、下記に当てはまる方はピロリ菌検査をおすすめします。
- 慢性的な胃の不調（胸やけ、胃の痛み、吐き気など）に悩んでいる方
- バリウム検査で胃炎が指摘された方
- ご家族にピロリ菌感染がおられる方
- ご家族に胃がんの方が多い方
- 胃・十二指腸潰瘍の再発を繰り返している方
- ピロリ菌の除菌治療後に除菌判定を行っていない方
ピロリ菌の検査方法
ピロリ菌の検査方法には、いくつかの種類があります。
内視鏡を使用する検査
迅速ウレアーゼ検査
ピロリ菌が分泌する「ウレアーゼ」という酵素を利用した検査です。内視鏡を使用して胃粘膜の組織を採取し、特殊な薬品と反応させて、菌の有無を調べます。
培養法
内視鏡で採取した胃粘膜組織を培養し、ピロリ菌感染の有無を調べる方法です。
検鏡法
顕微鏡を使用して直接ピロリ菌の有無を調べる方法です。採取した胃粘膜組織を特殊な薬品に浸し、それを顕微鏡で観察します。
内視鏡検査を使用しない検査
尿素呼気試験
専用の検査薬を使用して呼気中の二酸化炭素量を調べる方法です。ピロリ菌感染があると、ピロリ菌が分泌するウレアーゼの作用によって呼気中の二酸化炭素量が増加します。その性質を利用した検査方法です。
便中抗原測定
糞便中のピロリ菌抗原を検出する方法です。便を採取してその中の抗原を調べます。
抗体測定
血液検査や尿検査によって体内のピロリ菌抗体を調べる方法です。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌の感染が判明したら、体内から除菌するための治療を行います。ピロリ菌の除菌治療では、主に抗生物質を使用した薬物療法を行います。1日2回（朝、夕）の内服を一定期間続けることで、高い確率（約70～90％）で除菌が成功します。
1度の治療で完全な除菌が叶わなかった場合は、抗生物質の組み合わせを変えて再び治療を行います（二次除菌）。これを繰り返して体内のピロリ菌を完全に取り除きます。
ピロリ菌の治療では、お薬の服用の順守と治療後の除菌判定が重要となります。途中で服用を止めたり、完治を確認しないままにしておいたりすると、完全な除菌ができない可能性があります。