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機能性消化管障害(FGID)とは?
腹部の痛みやもたれ、便通異常(便秘・下痢)などの消化器症状が続いているにもかかわらず、内視鏡検査をしても異常が見つからないことがあります。これらを総称して「機能性消化管障害(FGID)」と呼びます。精神的なストレスが関連している場合も多いため、消化器症状以外にも抗うつや不安などの精神症状が現れることもあります(脳腸相関)。
機能性消化管障害の種類と症状
機能性消化管障害にはさまざまな疾患が含まれますが、中でもとくに多く見られるものとしては、「胃食道逆流症(GERD)」「機能性ディスペプシア(FD)」「過敏性腸症候群(IBS)」などが挙げられます。一つだけでなく、複数が併発することも多いです。
胃食道逆流症(GERD)・非びらん性胃食道逆流症・逆流性食道炎
胃酸や胃内容物が食道に逆流してしまう状態のことを「胃食道逆流症(GERD)」と言います。逆流が起きていても症状の程度や炎症の有無には個人差があり、自覚症状があっても内視鏡検査で食道炎がみられないものは「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」、症状と炎症の両方が確認できるものは「逆流性食道炎」と呼ばれます。
加齢や生活習慣が原因となり、胃と食道のつなぎ目にある筋肉の機能が低下することで起こる傾向にあります。
主な症状
- 胸やけ
- 胃もたれ
- みぞおちの痛み
- 胸のつかえ
- 呑酸(胃酸の逆流により酸味を感じる)
- 吐き気 など
機能性ディスペプシア(FD)
胃の痛みやもたれ、早期膨満感(すぐにお腹がいっぱいになる)などの症状が慢性的に生じているにもかかわらず、内視鏡検査で異常が認められないものを「機能性ディスペプシア(FD)」と呼びます。胃は、「貯留」「攪拌」「排出」という3つの機能を備えていますが、これらに異常が起こることによって機能性ディスペプシアを発症すると考えられています。
主な症状
- 慢性的な腹部の不快感(胃もたれ・早期満腹感・膨満感など)
- 胸やけ
- みぞおちの痛み
- 吐き気 など
過敏性腸症候群(IBS)
便通異常(便秘・下痢)や、お腹の症状(腹痛・腹部膨満感)が慢性的にみられるにもかかわらず、検査で異常が認められない状態のことを「過敏性腸症候群(IBS)」と呼びます。通勤・通学時の電車内、職場や学校で不安・ストレスを感じた際など、特定のタイミングで起こるケースが多く、ほとんどの場合において排便によって症状が軽快します。
若い方によく見られる疾患で、日本人の多く(約1割とも)がこの過敏性腸症候群を持っていると考えられています。
主な症状
- 腹痛
- 便通異常(下痢と便秘を繰り返すこともある)
- 腹部膨満感 など
※これらの症状が排便によって軽快するのが、過敏性腸症候群の特徴です
機能性消化管障害の治療
対象となる疾患によって治療方法は変わりますが、生活習慣や心理的要因の改善によって症状の軽快が図れることも多いです。とくに睡眠不足や不規則な生活、社会的なストレスが機能性消化管障害の要因となっているケースも多いため、これらを改善しつつ必要に応じて腸管運動調整薬や整腸薬、漢方薬、下痢止め、便秘薬などを処方します。心理的要因が強く影響している場合には、抗不安薬・抗うつ薬などを処方することもあります。
胃食道逆流症
食生活と生活習慣の改善によって、症状を緩和させていきます。それでも改善しない場合には、必要に応じて胃酸を抑える薬や胃腸の動きをよくする薬などを処方します。
機能性ディスペプシア
胃の働きの異常を改善することで症状の緩和を目指します。とくに大量飲酒や過度な香辛料の摂取は胃酸の過剰分泌を引き起こしますので、治療においてはこれらをお控えいただくこともあります。
必要に応じて胃酸を抑える薬や、食べ物を送り出す運動を促進させる薬などを処方します。
過敏性腸症候群
食生活や腸内細菌のバランスを整えることで症状の緩和が望めるケースも多いです。食生活の改善を行っても症状が軽快しない場合は、腸管運動調整薬や整腸薬、抗不安薬、抗うつ薬などを症状に合わせて処方します。